カップリングこうさつ

勝手に語ります。もう言いたい放題。エセ心理分析風味。


1. ゴンキルまたはキルゴンについて(攻受はこの際おいておくとして)


原作がもー、いっちゃてると思うんですね。…多分、狙ってるとは思うんですけど。
最初にウワー、と思ったのは5巻の「ゴンと友達になりたい」あたり。次に8巻のくじら島で「俺、キルアといると楽しいよ」「なんだよ、突然」(照れながら)あたりでツボ。

でも、ここまではなんか、微笑ましいカップル妄想を刺激されたに留まってたんですよ。たしか。余り深く考えなかったんです。少なくとも私は。

しかし、話が進むにつれて、だんだん何かコワイものを感じ始めた。
違うものって、一言で言うとノなんか、「運命共同体」化してくる様子と言うか。よくも悪くも。
14巻あたりのキルアの心中モノローグ、「お前に会えて本当に良かった」はまあ、「ごちそうさま」という感じで読み飛ばしていたんですが、17巻のグリードアイランド編のドッジボールのとこで流石に、「おいおいおい」と思った。
これって、キルアの手を傷つけることを承知で球を打ち、「キルアだから思い切りやれた。他の人じゃだめなんだ。」とゴンがいうシーンです。このセリフで「やば」と感じたのでした。我々の日常感覚からすると単なる友達同士をとっくに超えてる気がして。なんかもう、二人が一体になっちゃってるって感じ。
それはとても美しいともいえるんですけど、同時に、暴力的な力で二人が接合してしまっているような、危うさも感じさせました。

ゴンはキルアをまるで他人じゃないものとして、自分の行動に巻き込んでて、傷つけるのもいとわない。キルアもそれでいいと思ってて、それは実際、そうなったときの二人が発揮する力はものすごく大きいとわかってるから、という話になってる。んでもってこの後、自分の父親に会えるかもしれないという機会に、「友達のキルア」を連れて行こうとする。まるきり、人生の同伴者扱いですね。

そこで考えてしまったのが、「キルアの人生って…このあとどーなるんだろ?」ということでした。

キルアってのは結構優等生で、才能はピカ一、頭も良くて、唯一の問題というか悩みは、自分のやりたいことがないくらいという子供。ゆえに「自分のやりたいことを探すためにゴンの旅に同行する」となっているわけです。つまり、主体性ゼロに生きてきた子供が自分を取り戻す旅という構図。
だけど、現時点迄のところ彼は、ゴンの目的を自分のものとして取り込んでしまってるようです。つまり、「自分のやりたいこと=ゴンの目的を助けて一緒に旅をする」となっちゃってる。

最近の彼らの行動における分業様式をみてるとこれって顕著。基本的にキルアの方が頭の回転が早くて物知りなので、情報を提供し、選択肢を列挙するところまでやってのける。だけど最終決定は、結構な割合で、ゴンが下してるんです(例:東ゴルトーでの作戦選択とか)。つまり、キルアはゴンの目的のために環境を整備し、自分をちょっと犠牲にしても状況を最適化させるという離れ業をやってのけている。まさに理想のコンビ。でも、ほんとにそれでいーのかな。

特に、今はゴンがマトモにキルアの方を公私を通じて向いてるからいいようなものの、これが片方に恋人でも出来たらどーなっちゃうんだ?そんなことを考えると、もーやばそうで、妄想が止まりません。

そして、その危うさこそが今回、ディープに萠再燃となって最大要因だったりします…。
21巻はその意味で、たまらなくドツボでした(結局はこれがいいたかった)。ゴンがデートしてる傍らで、「俺がゴンを守る」とキルアが一人大奮闘っていう。このシーンで悶えた人、日本列島中にいたはず(いやひょっとすると列島外にも)。

更にその「危ういカップル」妄想を過不足無く加速させてくれるもう一つの要因に、キルアのトラウマ系過去ってのもありますね。原作では必要最低限(ただし少年漫画としては多分マックスレベル)しかクローズアップされないので、まさにここは妄想200%の世界になるわけですが。


1.5. キルア的トラウマ?

(以下、管理人の非常に個人的な妄想です。基本的に極端な解釈ですので、ご関心の無い方は読まれない事をお薦めします。)

キルアがどういう類いの「地獄」をみたかは詳しくここで空想しませんが、家族に「お前は熱を持たない闇人形」といわれるまでの扱いを受けた子供ですから、主体性を限界まで否定されて育った事が想定されます。で、ベタですが、そこまで主体性を押さえられて育った子供は根源的な自己肯定の力が低いんじゃないかと思うわけです。ここでいう自己肯定の力ってのは、強さとかじゃなく、「弱かろうが何だろうが、愛されなかろうが、自分はこれでいい」と根拠無く自分を肯定するような精神力のようなものです。 一般的にこういうタイプは、ゼロか1かで物事を考えやすい、らしい。競争をしたら1番じゃなきゃ意味がないみたいに考えたり、恋愛したらものすごく相手の愛情を取り付けてないと満足しなかったり。 つまり、自分で自分を肯定出来ないから、社会的評価や他人の愛でそれを埋めようとしてしまう訳です。そして基本的に自分に自信がないから、他人と人間関係を築くときにもわかりやすくて楽な手段、例えばセックスとかに頼りやすい。同時に、性的な誘惑に対しても、求められれば自分の存在意義を認められたように感じて、割と簡単に応じてしまったりする。だけど残念ながら、そういう形で得た人間関係は(よほど運が良い場合をのぞき)表面的で希薄なものが多いから、そこでまた傷つくことになり、悪循環に陥りやすい。

…とまあ、キルアについて、こういう人格類型が思い浮かんでしまったわけです。

で、仮にそうだとすると、ゴンはだいーぶ重いものを背負った人を自分の人生に「巻き込んで」いることになる。だいじょぶかなー、どうなるのかなー、という方向に妄想が大膨張してしまいます。

ゴン自身について、まだ私はよく把握しきれてないんですが、悪い方に転ぶと、善意で他人の人生を押しつぶしてしまったりしそうな感じの子供ですね。実際、原作でも「危うい」という評価をはっきりと下されてますし。単に無邪気なだけの善人キャラじゃない。そこがまあ、魅力であるんですけど。
あと、これは単なる考え過ぎなんですが、ゴン自身の人生もだいーぶ複雑な色調を帯びてます。親父に捨てられて、おそらくは父親を好きだった(?)女性に育てられるっていう、妙に劇的な設定。この辺も、もうちょっとよく考えてみたいです(で、どーなるってもんでもないんですが)。



: 2. キルクラ


クラピカは性別不明のままか、そうでない場合は基本的に半陰陽(インターセックス)の扱いにさせていただきます。具体的にどういう身体条件を負っているかはあまり書くつもりは有りません。何となく思いついてしまったからそういう設定にしてるんですが、妄想話が徒に深刻な方に傾斜してしまうので、まずいのかなーという気も少しは有ります。

なお、半陰陽で子孫が残せない、という話で一本書いてしまいましたが、これはごく平凡な方法(セックス、妊娠、自然出産)では無理だというだけで、生殖医療が非常に発達していれば理論的には残せるはずです(注)。だけど、そうまでして「血」にこだわらなくてもいいよね、という方向に発想が向いた時、彼の人生も少しは楽になるのでしょう。

で、前置き長いですが、キルクラ。

原作に依拠して言いたい事は特にないです。なので自分の思い込みを書くと、なんかこの二人って、女の子2人のカップルに似たところのある関係ですね(注2)。それも、片方がバイで彼氏とかいて、もう片方は「甘えさせてほしいってわけねー。ま、いっか。」と微妙に苦い気分でつきあってる、という感じの。少なくとも私はそれを想定して書くとすごくやりやすい…。
キルアは、上のような設定のせいで、荒れるとセックス依存傾向ありです(すいません)。クラピカは基本的に悪い思い出のせいで男性からの性的な接触に嫌悪感を感じやすいんですが、キルアがまだだいぶ少年だった(年齢は具体的に考えるとヤバいのですが)ので、許容範囲だったということになってます。

ゴンって、情緒的な話はあまり細かく出来なさそうなタイプ。一方、キルアはごちゃごちゃと内面に言葉が渦巻いていそうな子だという印象を(勝手に)持ってます。で、クラピカは彼と似たような波長で考えることが出来てしまうため、聞き役にさせられるという不幸がありそうです。
うちの設定では、クラピカはレオリオの方が全然すきなのですが、キルアに対しても微妙な感情を持ってます。それは共鳴する部分があるから。で、求められたら何となく乗ってしまう。理由は「振り切る理由も無いから」。でも、相手が若すぎるので罪悪感もちょっとある感じです。
ただし、クラピカ自身が繊細なので、キルアは重たすぎる。だから、キルアがゴンでは足りない部分を別の人に依存して紛らわしたい時だけ、サポートに回るくらいが限界。
まあ、こう書いちゃうと、互いに利用し合ってるみたいで殺伐とした感じですが、管理人はそれを無理矢理でもあまり剣呑でない方向に持っていくのが好きです。クラピカは頭いいので、自分がキルアにしてやれるのはここまでで、でもこれは拒絶じゃないんだよ、ってわからせることが出来るでしょう。たとえそれがちょっと残酷であっても。



3. レオクラ


うーん…医者、それも超エリート最新テクノロジーと接することが可能なレベルのを目指してるということだそうなので、サキオ設定でクラピカが完全に諦めてるはずの「一族の復興」を実現しそうでこわくなってきました。でも、そういう方向には持っていきたくない。
とりあえず今のところ、色々な葛藤の末にクラピカが「子孫が残せなくても、復讐が遂げられなくても、たとえ一人になっても、生きていることには意味が有る」といつの日か納得することになるだろう。その際にはきっと、友人としてか恋人としてかは知らないが、レオリオの存在が大きなウェイトを占めているだろう…のように考えてるんですが。

レオリオっていう人物像は、ゴンやキルア、クラピカに比べると格段に安定感がありますね。まあ、自我形成が有る程度すんだ年齢の人(しかし20歳前?)って感じだし、一見単純そうだけど、それなりに大人の深みもあるというか。人生の目的もはっきりしてますしね。
いや、(このサイトの趣旨に照らして)何をいいたいかというと、例えばゴンはキルアみたいなのに誘われたら、善意で深く考えずヤっちゃて、後で泥沼にはまりそう。だけどレオリオは利用する気で誘いに乗るか、善意でかわすかのどっちかという気が。悪意にせよ親切になるにせよ、安定してるんです。なお、このHPではキルアがゴンとクラピカ、イルミで飽和しちゃってますんで、レオリオ誘って泥沼にはならなさそうです(基本的にはレオキル好きなんですが)。



(注)一口に半陰陽といっても非常に色々な場合があるので一概にはいえないんですが、男女どちらかあるいは両方の性腺があるけど、性器がそれに見合う形に発達してない、という場合が多いようです。とすれば、精原細胞または卵原細胞を採取して顕微授精+代理母出産とかで原理的には可能でしょう。ただ、現実世界ではここまで行く前に人生上の様々な困難(激しい差別など)が待ち受けているようですが…。
ハンタの世界ではどうなのかな。とりあえず、クルタ族の集落では伝統的な世界観が保たれていて、クラピカは悪い待遇を受けていなかったと言うことにしておきます(現実社会でも、前近代的社会の方が同性愛や半陰陽にやさしかったりするみたい)。その後、外に出たら追い討ちをかけるような辛い体験が待っていた、と。
(注2)ついでにいうと、管理人はバイです。ゆえにビアンものや百合漫画も大すき。




2005/03(Up後ちょっと書き直し 2005/03/24)

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